2026年2月12日に発売された『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』は、シリーズファン待望の作品だ。2009年のPS3オリジナル『龍が如く3』を「極」クオリティでフルリメイクし、完全新作の外伝『龍が如く3外伝 Dark Ties』を同梱した2in1パッケージ。発売直後の今、シリーズの転換点とも言える本作を徹底的に掘り下げてみる。
龍が如くスタジオが手がけるこの作品は、単なるリマスターではなく、現代の技術で再構築された真のリメイクだ。メタスコア75点とまずまずの評価を受けつつ、戦闘システムの刷新や峯義孝の深掘りが高く評価されている。一方で、オリジナルからの古い演出が残る点も指摘されている。シリーズの過去と未来をつなぐ重要な一本である。

龍が如くシリーズと「極」リメイクの歴史
龍が如くシリーズは2005年の初作から20年近く続く人気アクションアドベンチャーだ。主人公・桐生一馬の極道人生を描き、リアルな街並み、熱いドラマ、豊富なサブコンテンツが魅力。
「極」シリーズは、古い作品を現代エンジンでリメイクするプロジェクト。2015年の『龍が如く 極』(1のリメイク)、2017年の『龍が如く 極2』(2のリメイク)が成功を収めた。一方、『龍が如く3』から『5』までは2019~2020年にリマスター版が発売されたが、フルリメイクは見送られていた。
2025年9月のRGG Summitで『龍が如く 極3』が発表された際、スタジオ代表の横山昌義氏は「極シリーズはこれでラスト」と明言。理由は、桐生一馬の物語を完結させ、新たなシリーズに移行するためだ。以降は春日一番主演のターン制RPG路線や新プロジェクトが中心になる可能性が高い。
本作が「極」の集大成として位置づけられるのは、オリジナル『3』の問題点を徹底的に改善しつつ、新要素を大量投入している点にある。
発表から発売までのハイプと期待
2025年9月の発表トレイラーは、桐生の沖縄生活と峯義孝の新ストーリーを強調。ファンは「ようやく極3が来た」と歓喜した。オリジナル『3』は当時PS3の性能を活かしたが、戦闘の硬さやストーリーのテンポが批判されていた。
体験版配信や先行プレイレポートで、新バトルスタイル「琉球スタイル」や外伝の存在が明らかになり、期待が一気に高まった。発売前には和田アキ子が歌う挿入歌「ばかみたい」のメイキング映像も公開され、話題を呼んだ。
発売日は2026年2月12日。プラットフォームはPS5/PS4、Xbox Series X|S、Steam、Nintendo Switch 2と幅広い。価格はスタンダードエディション8,990円、デラックスエディション11,440円(DLC込み)。
ストーリー概要:桐生と峯、二人の男の生き様
『龍が如く 極3』のメインストーリーはオリジナルを忠実に踏襲しつつ、ドラマシーンを追加・深化させている。近江連合との抗争を終えた 桐生一馬は、東城会を堂島大吾に託し、遥と共に沖縄へ。児童養護施設「アサガオの郷」で穏やかな生活を送るが、リゾート開発計画を巡る陰謀に巻き込まれる。
東城会の内紛、政界の闇、沖縄の土地問題が絡み合い、桐生は再び闘わなければならない。テーマは「家族を守るための戦い」。アサガオの子供たちとの交流が桐生の人間性を強調し、シリーズ屈指の感動を呼ぶ。
一方、『龍が如く3外伝 Dark Ties』は完全新作。主人公は峯義孝。ベンチャー企業を成功させた過去を持ちながら、裏切りで全てを失う。極道の世界に足を踏み入れ、「絶対的な絆」を求めて東城会を駆け上がる過程を描く。
神田強や堂島大吾との関係が深掘りされ、本編の峯の行動に新たな文脈を与える。孤独と野心の物語は、桐生とは対照的でシリーズの多様性を示す。
二つの物語は互いに補完し合い、プレイすることで『龍が如く3』の世界が立体的に感じられる。
リメイクの変更点:オリジナルとの決定的な違い
オリジナル『龍が如く3』はPS3時代特有の硬い操作感が欠点だったが、本作はDragon Engineベースの滑らかなアクションを実現。グラフィックは沖縄の街並みが息づくように美しく再現され、観光地の賑わいや夜の神室町が圧倒的にリアルだ。
バトルは最大の進化点。桐生は「堂島の龍・極」(豪快な喧嘩アクション)と新スタイル「琉球スタイル」(沖縄武器を活用したテクニカルアクション)の2種類を使い分け可能。武器コンボの多さはシリーズ史上最多で、戦闘にメリハリが生まれている。
追加要素も豊富。「アサガオライフ」では施設の家事や子供たちとの交流で桐生を成長させ、絆サブストーリーが展開。新モード「最強列伝 ツッパリの龍」はチームバトルで仲間をカスタマイズ可能。プレイスポットもボウリング、プリサークル、ゲームギアタイトルなどが復活・追加された。
一部演出の古さ(カット割りや会話テンポ)は残るが、全体として「極」クオリティにふさわしい仕上がりだ。
バトルシステムの爽快感と新要素
戦闘は本作の最大の魅力。「堂島の龍・極」はシリーズ伝統の重厚なヒートアクションが炸裂。「琉球スタイル」はトンファーやヌンチャクなどの沖縄武器を駆使し、コンボが爽快だ。
能力強化はスキルツリー形式で自由度が高く、「宮里道場」などの新施設で鍛えられる。敵の種類も増え、ボス戦は緊張感満点。オリジナルを知るプレイヤーでも新鮮に楽しめる。
龍が如く3外伝 Dark Tiesの魅力
外伝はプレイ時間5~8時間程度のボリューム。峯義孝のバトルはシュートボクシングベースのスタイリッシュアクション。「闇覚醒」で攻撃が暴走し、派手な連撃が可能だ。
アドベンチャーパートでは「神田カリスマプロジェクト」で神室町の住民の悩みを解決し、評判を上げる。「地下ファイトクラブ」はサバイバルバトルで強化素材を集めるやり込み要素。
ストーリーは峯の孤独と絆への渇望が丁寧に描かれ、本編の峯をより魅力的にする。レビューでは「本編を超える感動」「峯ファン必見」と高評価が多い。
キャストと演技の重厚さ
声優陣は豪華。桐生一馬(黒田崇矢)、峯義孝(中村獅童)、神田強(宮迫博之)など。キャスト変更で物語の印象が変わり、特に峯の演技は野心と脆さを絶妙に表現している。
挿入歌「ばかみたい」も健在で、情感を高める。
評価と気になる点
発売直後のレビューでは、新バトルと外伝が高評価。やり込み要素の充実でボリューム満点だ。一方、ストーリーの一部変更がオリジナルファンから賛否両論。メタスコア75点は「良作だが最高傑作ではない」といった印象。
シリーズ初心者には入りやすいが、極1・極2をプレイ済みがおすすめ。
シリーズの未来とおすすめ度
横山氏の発言通り、これが最後の「極」。桐生の物語は一区切りつき、次は新章へ。本作は桐生時代を締めくくるのにふさわしい内容だ。
おすすめ度は非常に高い。オリジナル『3』をプレイした人も、新規も満足できる。外伝込みで2つの物語を楽しめるのはお得感満点。龍が如くファンなら絶対にプレイすべき一本だ。

