2026年2月12日に発売された『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』(以下、極3)は、2009年の名作『龍が如く3』を「極」クオリティで完全リメイクした作品だ。桐生一馬の物語を現代の技術で再構築しつつ、シリーズ人気キャラクター・峯義孝を主人公とした完全新作外伝「Dark Ties」を同梱。発売直後のMetacriticスコアはPS5版75点、Nintendo Switch 2版79点と「概ね好評」を獲得しているが、シリーズファンからは賛否が分かれている。本記事では、発売翌日の最新評価を基に、ストーリー、システム、追加要素まで深く掘り下げて検証する。

シリーズにおける「極3」の位置づけ
「極」シリーズは、PS2時代の初代と2を現代エンジンでフルリメイクした成功作だ。極1・極2は戦闘の爽快感とグラフィック向上で高い評価を受けた。一方、PS3時代の3~5は2019年にリマスター化されたが、フルリメイクは見送られていた。開発者の横山昌義氏は生配信で「極3をラストに『極』ブランドは終了する」と明言。新たなシリーズ展開を示唆しており、極3は一つの区切りとなる作品だ。2025年9月の発表からわずか5カ月での発売は、RGGスタジオの開発効率の高さを物語る。
ストーリー:桐生と峯、2人の生き様が交錯するドラマ
極3の本編は、沖縄の孤児院を舞台に桐生一馬が極道の世界に引き戻される物語を忠実に再現。オリジナル版の感動的なシナリオは今も色褪せず、遥との親子関係や東城会・近江連合の抗争はシリーズ屈指の完成度だ。リメイクではカットシーンの演出が大幅強化され、表情の細やかさやカメラワークが現代的になった。特に終盤のドラマチックな展開は、極2以降の演出ノウハウが活きている。
最大の目玉が外伝「Dark Ties」。峯義孝を主人公に据え、本編と並行して進行するもう一つの物語だ。峯の孤独と野心、そして桐生との対比が深く描かれ、シリーズファンにはたまらない内容。プレイ時間は約8~10時間だが、濃密なシナリオと専用バトルスタイルで独立した作品として成立している。ファミ通レビューでは「峯の描写がシリーズ史上最高」と絶賛された。
グラフィックと技術面:極クオリティの進化を実感
オリジナルPS3版(720p/30fps)から、リマスター版(1080p/60fps)を経て、極3は4K対応・レイトレーシング対応の最新エンジンで構築。沖縄の海や神室町のネオンは息をのむ美しさだ。特に夕陽に照らされた琉ボのビーチは圧巻。キャラクター模型も極2レベルに引き上げられ、桐生や峯の表情筋の動きがリアルになった。
Switch 2版は解像度がやや落ちるものの、安定した60fpsを維持。携帯モードでも十分なクオリティで、メタスコアがPS5版を上回る理由の一つだ。ロード時間も短縮され、ストレスフリーな体験を提供している。
バトルシステム:滑らかさは向上、しかし課題も残る
極シリーズの特徴である「ドラゴンエンジン」ベースの戦闘は、極3でも健在。極1・極2の4スタイル切り替えを継承しつつ、操作応答性がさらに向上。ヒートアクションの派手さは健在で、環境を利用した演出も豊富だ。
ただし、オリジナル版の遺産である「ガードの硬直」や「敵のブロック多用」は完全には解消されていない。IGNの海外レビューでは「戦闘は滑らかになったが、極2ほど革新的ではない」と指摘された。ボタン連打でもそれなりに戦える親切設計は残っているが、上級者には物足りない部分もある。外伝「Dark Ties」では峯専用スタイルが追加され、スピード重視の爽快感が味わえるのは高評価ポイントだ。
サブコンテンツ:充実度はシリーズ随一
龍が如くの魅力は本編以外のボリュームにある。極3ではサブストーリーが約80件(一部新規追加)、プレイスポットも大幅強化。新たに「ゲームギア」エミュレータが追加され、往年のセガファンには嬉しい要素だ。カラオケ、麻雀、野球、ゴルフ、釣りなど、やり込み要素は相変わらず豊富。宮里道場や最強列伝「ツッパリの龍」も健在で、100時間以上のプレイが可能。
外伝では「地下ファイトクラブ」が新登場。ルール付きの連続バトルで、緊張感のある戦いが楽しめる。
クリティックレビューまとめ:Metacritic 75点の内訳
発売直後のMetacriticスコアはPS5版75点(38レビュー)。好評29件、賛否混在8件、否定的1件と概ね好評だ。Famitsuは高評価(具体的な点数は未公開だが好意的)、GAME Watchは「安定感のあるリメイク」と評価。海外ではIGN USが「戦闘の滑らかさとDark Tiesが高評価」としながらも、全体的に「安全なリメイク」と指摘。
最高スコアは95点(一部メディア)、最低は60点台。共通の賛辞は「ストーリーの普遍性」「外伝の追加価値」、批判は「戦闘の古さ」「革新性の欠如」だ。
ユーザー評価:Steamでは「やや好評」、SNSの声は二極化
Steamレビューは発売24時間で270件を超え、「やや好評」。ポジティブな声は「峯外伝が神」「沖縄のグラが美しい」、ネガティブは「戦闘が単調」「オリジナル版の良さを損なっている」だ。X(旧Twitter)では発売記念トレンド入りし、「#龍が如く極3」が活発。シリーズファンからは「待望のリメイク」「峯の物語に泣いた」が目立つ一方、「極にする必要あった?」という意見も散見される。
オリジナル版・リマスター版との比較
オリジナル(2009年)は当時としては革新的だったが、ブロック多用の戦闘やロードの長さが欠点だった。リマスター(2019年)は1080p/60fps化で遊びやすくなったが、根本的なシステムは変わらず。極3はエンジン刷新で戦闘の快適性が大幅向上し、外伝追加でボリュームが1.5倍に。価格も単体リマスターより高いが、内容を考えると納得のクオリティだ。
ただし、オリジナル版の「のんびりしたテンポ」を愛するファンには、極3のテンポアップが逆に違和感となる場合がある。
欠点と改善希望点
最も指摘されるのは戦闘の単調さだ。極2のようなスタイルごとの個性が薄く、後半は作業感が出る。敵のAIも賢くなったが、ブロック多用は相変わらず。サブストーリーの一部は極1・極2からの流用感が否めない。また、発売直後ということもあり、バグ報告(主にSwitch 2版のフレームドロップ)も散見される。今後のパッチに期待したい。
総評:買うべきか? 誰におすすめか
『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』は、シリーズファン必プレイの作品だ。特に峯義孝ファンや、オリジナル版を未プレイの新規層には強くおすすめできる。ストーリーの完成度と外伝の追加価値は価格以上の満足感を与えてくれる。
一方、極2や7以降のアクションを期待すると物足りない可能性がある。戦闘重視なら『龍が如く8 インフィニット・ウェルス』を優先しても良いだろう。総合評価は100点満点で82点。リメイクとしての完成度は高いが、「革命」ではなく「進化」にとどまった印象だ。
「極」ブランドのラストを飾るにふさわしい作品であり、桐生一馬の伝説を現代に蘇らせた功績は大きい。今後のRGGスタジオの新展開にも期待が膨らむ一本だ。

